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かびたぬと再会する日まで頑張ります

2019-2020のアメリカとイランの軍事衝突と「リスクオフ」について

Bitget

概要

年末年始、アメリカとイランの軍事衝突(現時点では宣戦布告などはなされていない)が報道され、何らかの仕方でマーケットに影響しているように思われる・・・と、多くの人は捉えていると思うたぬ。

 

なんでこんな回りくどい言い方をするかというと、少なくとも現時点ではそんなに事柄は明らかではない感じもするからたぬ。

 

じゃどんな感じなのかについて、いま環が注目している点を簡単にまとめるたぬ。

以下、すでにこのブログの諸々の「記録」や、TwitterやTrading Viewに投稿した内容と重複する点もあることをご了承くださいたぬ。

 

注意 イラン問題の政治的分析などはしませんたぬ。

この記事はあくまで一人のヒヨッコトレーダーとして、市場がどんな感じかをチェックするという目的でのみ書かれているたぬ。

 

だからイラン問題そのものの詳しい分析や、歴史的背景などについては触れることができないたぬ。

そもそもかなりセンシティブなテーマなので、迂闊なことをいうのはためらわれるたぬ。

 

 

現在は「リスクオフ」なのか?

リスクオフという言葉は結構広い意味で使われるたぬけども、ここでは「株などリスクの高い銘柄から、安全資産とされる銘柄へと投資先が転換するよ」っていう程度の意味で使うたぬ。

 

さて、本題だけども、昨今のイラン問題に際して「事実上の戦争だ!やべえぞ!リスクオフじゃね?」と思ったトレーダーも一定数いるんじゃないかと思うたぬ。

 

じゃ、まず簡単にアメリカのマーケットの様子を見てみるたぬ。

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ごちゃっとしとるけども、まずアメリカ固有の銘柄(株・ドル・国債)に関しては、特別な動きがあるようには感じられないたぬ。

 

 

リスクオフならどうなっていて欲しかったか?

① VIX上昇

本当にリスクオフだというなら、まず「リスキーなのはやべえ!」という反応があるはずたぬ。

 

そういう反応を何でみるかについては色々あるけども、ここではVIXを見てみるたぬ。

 

VIXは別名「恐怖指数と言われるもので、SPX500(米株価指数)のボラティリティ予測に基づいて算出される指数(インデックス)たぬ。

なんでボラティリティに反応する指数が「恐怖」指数って呼ばれるかっちゅと、ボラ拡大は市場が弱気になり暴落が懸念されるような場合に見られがちだからということになってるたぬ。

 

そんなわけで、VIXが反応していることは、マーケット参加者がリスクを意識していることが推測されるたぬ。

 

② 株価下落

これは今いったVIXと関連するたぬね。

 

リスクが意識され、それを避けようとするなら株のような流動性の高い商品を手放して、安全な資産に逃がしたくなるということなので、株価は下がるたぬ。

 

 

③ ドル売り(円買い→円高)

アメリカ視点に立つなら、アメリカ市場がリスキーなら安全資産となるのはそれ以外の通貨になるたぬね。

そうなると、例えば相手を円に取れば、円高ドル安ということになるたぬ。

 

 

国債買い

株がリスク商品の代表なら、安全資産の代表として国債が挙げられるのが普通たぬ。

 

2019年は前年年末から頭にかけて、そして夏~9月ごろにかけて株価が下がり、対して国債が買われたぬき。

 

20年超(ETF)

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10年

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・・・ただし、これは「安全資産としての国債買い」としては、実は結構アヤシイ例たぬ。

 

というのも、金利はあまり芳しいものじゃないからたぬ。

どちらの画像も最下段は10年-2年の金利差を表してるけども、陰線ばっかで、一時期はマイナス、つまり逆イールドしてることがわかるたぬ。

 

そういう状況を見ると、2019年の国債買いは必ずしも「安全資産として買った」というばかりでなく、保有による金利を無視した投機的売買での利益を狙った取引が横行したという見方もあるようですたぬ。

参考 債券バブルが崩壊したら株式市場はどうなるか | キャリア | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 

ただ環はまだ金利とかは勉強中で、このあたりの事情(だけじゃないけど)はシロートなので、各自もっと信頼できる筋を調べて欲しいたぬ。

 

⑤ その他安全資産買い

他の安全資産といえばゴールドは代表的なもののひとつたぬ。

 

 

 

「リスクオフ」の典型まとめ

以上をまとめると、もしリスクオフなら、「株やドルが売られて、VIXも急騰し、国債やゴールドが買われているだろうよ」というのが典型的だってことになるたぬ。

 

 

現時点でのまとめ

現時点ではそのようなことにはなっていないように思われるたぬ。

つまり、「どうすべきか」は別として、実際に「どうなっているか」についてだけいえば、リスクオフにはなってないんじゃないかということたぬ。

 

もう一度最初の画像を貼っとくたぬ。

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・・・ちなみにこのことは数日前に投稿したTrading Viewでも少しだけ書いたぬけど、反響はほぼゼロでしたぬき。

jp.tradingview.com

 

そもそも戦争はリスクオフになるものなのか

現時点についてはこれまで書いた通りだけども、ここで一つ考えられることがあるたぬ。

 

それは、「今回はなぜか軍事衝突してもリスクオフにならなかったのか、そもそもそういうことはリスクオフとは関係ないのか」ということたぬ。

 

 

まだ作成中だけども、ここ30年分くらいのアメリカの戦争・軍事衝突とマーケットとの相関性を表したチャートがこちらたぬ。

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ピンク縦線 米、軍事衝突開始

むらさき縦線 米、軍事衝突終了(戦争終結など)

ブルー縦線 その時点では米は関係ないが後に米軍派遣や開戦の根拠となるもの

 

注意1 週足で引いてるよ

なんでかっていうと、「軍事介入決定した翌日に派兵」みたいなことが多々あるので、数日分のズレを許容するためたぬ。

 

注意2 株価はSPXではなくダウを使用

普通、市況分析とかでは構成銘柄が多いSPX500を使うし、環もそうしてるけども、軍事衝突ということについてはあえて「ダウ工業30種」を使用してますたぬ。

理由は米トップ企業、特にボーイング社やキャタピラー社など、軍事関係企業でもあるようなものの反応をみたいからですたぬ。

 

注意3 30年分に限ったよ

なんでかっていうと、そもそもデータにアクセスしにくいってこともあるけど、より本質的には、あまりにも遡ると物価や政治的動向などもっと考慮しなければいけない点が多くなりすぎるからたぬ。

なので、冷戦終結ごろからのみを今回の考察対象にしましたぬき。

 

 

さて上の画像を見ると、

 

VIXは反応しがち

株は下がらない、もしくは直前下がって反発というパターンになりがち

国債金利は上がるか、もしくはすでに高水準にありがち

ゴールドはイラク戦争以降上がってる」と良く言われる。そして諸々の開戦後に確かに上がっているように見える。けれどもイラク戦争後からずっと上がっているので影響力の実態は良くわからない

 

という点に目を引かれるたぬ。

 

その上で・・・

 

 

今回はどうだった?

今回の件に関してはまだまだこれからというところなので、何とも言い難いけども、少なくとも現時点までに関して言えることは、

 

 

つまり、ちょっとこれまでの軍事衝突とはマーケットの反応の仕方が違うんじゃないか、ということが考えられるたぬ。

 

 

時系列でもう少し詳しくチェックする

以下に関しては(なおさら)検討の余地あるたぬけども、日中足をタイムレンジ別で捉えると少しだけヒントがありそうな感じがするたぬ。

 

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また株とVIXは・・・

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これに対応するニュースを時系列で追っていくたぬ。

以下全て大手メディアのソースを付けたぬき。

 

 

2019年12月

27日 キルクークイラク軍基地が武装勢力に攻撃される

イラク北部で軍基地にロケット弾攻撃、民間業者の米国人死亡 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

 

29日 イランに後ろ盾を持つシーア派組織(イラク・シリア)を米軍が空爆

米、イラン後ろ盾のシーア派武装組織を空爆 追加措置も警告 - ロイター

 

31日 バグダードで親イラン派による米大使館襲撃

親イラン派デモ隊、米大使館を襲撃 イラク空爆に抗議 写真11枚 国際ニュース:AFPBB News

 

2020年1月

3日 米軍、イランのソレイマーニー司令官を空爆で殺害、および米国発表。

イラン革命防衛隊の司令官、米軍の空爆で死亡 バグダッド到着後 - BBCニュース

同日 イラン最高指導者ハーメネイー師、米への報復を示唆

米軍、イラン司令官を殺害 ハメネイ師は報復示唆 (写真=ロイター) :日本経済新聞

 

4日 米軍、増兵決定

米、中東に最大3500人増派へ イラン司令官殺害受け 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

 

5日 イラン、核合意の放棄を表明

CNN.co.jp : イラン、核合意に基づく制限放棄の最終段階を発表

 

同日 トランプ大統領ツイッターでイランを威嚇

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1213593975732527112

 

8日 イランでウクライナ機墜落

ウクライナ機墜落 欧米各国「イランが誤撃墜」 イランは否定 | NHKニュース

 

 

同日 イラン最高指導者ハーメネイー師、米への報復実行を示唆

イラン・ハメネイ師、米国に「平手打ち食らわせた」 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

 

11日 イラン、敵機と誤認したとウクライナ機撃墜を認める

イラン軍 撃墜を認める ウクライナ機墜落 人為的なミスで | NHKニュース

 

 

 

これらを踏まえて一度先に貼った日中足をみるたぬ。

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気になるのは、

・3日深夜まではアジアタイムとニューヨークタイムで買われていた。

・4日深夜からはほぼアジアタイムのみで買われている。(10日深夜はNY買いアリ)

 

じゃその1月3日頃に何があったかというと、米軍が軍事力を行使し、それが公式に発表され、翌日増兵が決定されたぬき。

つまりアメリカとしての意思表示が強硬な形で示されたと解釈できるような動きがあったわけたぬ。

 

 

この辺りから、以下のような物語が考えられるたぬ。あくまでも妄想たぬ。

 

まず、少なくとも3日深夜(4日になったばかり)を最後にニューヨークタイムの参加者(おそらく北米の人たち)リスクオフ目線を一旦は捨てたんじゃないか、ということたぬ。

 

実際、株は全然下がらないし、VIXも31日(米大使館襲撃の日)が一番高く、それでもせいぜい15にギリギリ届く程度で低い水準のままだったぬき。

 

他方で、アジアタイムの参加者は依然としてリスクオフ目線があったのか、ゴールドを買い続けたぬき。

だからそれ以降、もっぱらアジアタイムで買われて上がり、その後のヨーロッパタイム・ニューヨークタイムでは調整という形になってたぬき。

 

 

 

最後に

・・・以上、年末年始のイラン問題とマーケットの相関性について、現時点でいえそうなことをまとめてみたぬき。

 

この件はまだこれから色々ありそうで、現時点での考察がどれくらい意味があるからはわからないたぬけども、「トレーダーとして」チェックしたいポイントをおさえることには役立つと思うたぬ。

 

「トレーダーとして」、たぬ。

この記事は、平和を願うものとしてとか、道徳を考える人間としてとか、日本国民としてとか、そういう視点は一切度外視されているたぬ。

それは環が、戦争を機会にトレーダーも利己的に金を儲けようと言っているわけでは全くないし、むしろそうした考えに対してははっきりと反対したい、ということだけ最後に言っておきたいたぬ。

 

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