自前のNFTアートギャラリーを作りたい
最近ではNFTアート参入者もかなり増えてきたような気がします。
それに伴う形で、NFTアートギャラリー、NFT美術館、NFT展示会...みたいなのも見かけるようになってきました。
そこで今回は、
「せっかくだから自分の作品を展示する自前のギャラリーを持ちたい!」
「しかし高い土地代を払ってメタバースにギャラリーを作るのは難しそうだ」
という方に、便利なサイトを紹介します。
Oncyberというところで、簡単かつ無料で、自分のNFTギャラリーを作ることができます。
今回はそんなOncyberでのギャラリー作成について簡単にご紹介いたしますたぬき候
なお、まだNFTアートの作り方がわからないよという方は、簡単に作れるやり方について以前書いた記事をご参考にして下さい。
Oncyberの使い方
ログイン
まずはOncyberにアクセスします。 https://oncyber.io/
画面右上のCONNECT WALLETから任意のWALLETを選びます。
ここではおなじみのMetamaskを選んでおきます。
Metamaskのポップアップでログインと承認を求められるので、いつも通りそれらをこなします。Openseaなどを使うときと同じです。
ギャラリー作成
そうしたら早速ギャラリーのタイプを選択する画面が出ます。
有料のものもありますが、FREEタブから選べば無料のやつを使えます。
現在は4種類。お好きなものを選びましょう。
今回は、いくらなんでもWhite Cubeって名前でWhite Cubeはちょっと...(後述。趣味の問題です)と思ったので、それ以外から適当に選んでおきます。
一番収容数の多いwolfgang no2というやつにしてみました。
・・・このタイプ、ぶっちゃけ梁が邪魔です。
他のタイプのも暗くてみづらいので、正直White Cubeが一番無難ではあると思います。
ギャラリー編集
するとこんな感じでedit画面が出てきます。(以下、他のタイプでも同様です)
まずは左側で、ギャラリーのタイトル名、URLなどを設定しましょう。
環はこんな感じにしました。皆様もお好きなように設定ください。
作品の展示
そしたら次は展示するNFTを選びましょう。
黒抜きに十字の場所が絵を貼るところです。
適当な所をクリックします。
そうすると緑色になって、ログインしてるWalletから絵を選べます。
絵を選んだら、展示サイズやフレームなどの調整を行います。
絵をドラッグすることで展示位置も変えられます。
コラボ機能を別として、原則として自分のWalletに入ってるものか、自分がmintしたものしか展示できません。
自分でmintしたが既に売れたNFTの場合
自分が作ったがすでに売れた作品は、作品選択のときにタブをMintedに切り替えれば選択できます。
polygonも対応
polygonの場合は、select assetのところでチェーンを変更すれば表示できます。
これをpolyにすれば大丈夫です。
なお自分の持ってる絵なら同じものも何枚も貼れます。
色々試したら右上のPreviewで確認しましょう。
・・・ぐるぐる回してたら3D酔いしました。気をつけて下さい。
どうも保存ボタンなどはなく、自動的に設定は保存されるようです。
完成
完成したら、さっき指定したURLにアクセスすればもう誰でもみることが出来ます。
こちら環のギャラリーです。ご参考になれば幸いです。https://oncyber.io/supertanuki
Oncyberの感想
無料だし、かなり簡単に作ることが出来ました。
今回はテキトーに済ませてしまいましたが、説明文やフレームなども作り込んだら結構それっぽくなるかもしれません。
ただ、White CubeとWolfgang No2以外は結構チープな感は否めません。
あと個人差あると思いますが、環はめちゃくちゃ3D酔いして気持ち悪くなりました。
とはいえ、冒頭にも書いたように、いきなりメタバースに土地買って3Dで美術館建設して...というのはハードルが高いと思いますし、手軽に楽しめるツールとしてアリだと思います。
余談にして本題: NFT「アート」と展示について少し考える
この先はセットアップとは関係ありません。
が、NFTアートをもっと楽しくしたいと考える方は少し読んでみてください。
さて、本記事でギャラリー選択をしましたが、そこでみたWhite Cubeは戦前にニューヨーク近代美術館が導入して以来、現在多くの美術館で利用されている展示方式です。
美術館のイメージって、白い壁、白い天井に、余白をたっぷりとって絵が飾ってある感じがしますよね。
要はそれのことです。
ところが近年(といってももう50年前くらいからですが)では、そうした画一的で制度化された方式のもとに作品を収容・展示していくことには批判もございます。
どんなに内容が斬新なものでも、クラシックな絵画と同じように展示され同じように鑑賞することを強いられるのは、確かに何か奇妙な点もある気がします。
・・・さて、ここで少しだけNFTアートとの関係性について言及させてください。
NFTアートは誰でも簡単に作ることができ、今回みたように、作品を展示するギャラリーすらすぐ作れます。
NFTアートは、これまでのアートとは根本的に異なる技術を用いており、未知の芸術的なポテンシャルを秘めたものだと環は考えておりますが(マジで)、必ずしもクリエイター、キュレーター、鑑賞者...によってそのような新しい芸術的な可能性が模索されているわけではないのが現状だと存じます。
何も共同コントラクトにnpgファイルを載せて行くだけのやり方を無意味だといって批判する気はありませんし、そういう楽しみ方はありだと思います。環自身そういうコレクションも持ってます。ガス代も高いしね。
ですが、せっかくですので、NFTアートを作ったり楽しんだりするにあたって、「NFTであること」と「アートであること」の両方の意義について考えてみると、NFTアートはもっと面白くなる気がします。
・・・NFT界隈を団結させるとか、国産チェーンがなんだとかという盛り上がり方もそれはそれで何か意味のあることがあるのかもしれませんが、クリプトもモダンアートも好きな環としましては、「NFTであること」と「アートであること」という点での面白さこそ、NFTアートにおいて求めたいことであります。
くどいようですが、そうした理念追求を全人類に強要するつもりなどはありません。
が、流行や投機性、絆(?)やWAGMI(??)やsay GM(???)などではなく、技術的、あるいは芸術的な新規性を求めてNFTアートに取り組んでいるクリエイターもいて、そういう意味で盛り上がって欲しいと環は考えている次第です。
本題に戻りましょう。
本記事でNFTアートギャラリーを作るにあたってWhite Cubeはちょっと...といったのは、そういった文脈を背景にしてのことでした。
もっとも、Oncyberの他のタイプのギャラリーも、別に本質的には大した違いがありません。見た目が多少違うだけです。
ですが、こういう話をしている記事をあまり見かけなかったので、言及するきっかけとしてまあそういうことを口走っておきました。
NFTアートも、リアルアート同様、展示の仕方も今後もっと取り組まれていくと面白くなると思います。
リアルアートにはない自由度(例えばデータであること)、そして制約(例えばブロックチェーン上に存在すること)は、NFT作品の存在自体のみならず展示の仕方にも何か工夫が出来そうです。
例えばトークンについては、Openseaのような特定企業のサーバーの利用、IPFSとメタデータ、フルオンチェーン...など、NFTならではの問題について、少なくとも一部のクリエイターやユーザーは色々検討していると思います。
そのような感じで、展示の仕方もNFTならではの検討の余地が色々あると思います。
例えばフルオンチェーンNFTの場合、おそらく普通ベクター画像なので、無限に拡大して展示することなども出来るかもしれません。(もっとこの点はNFTではないデジタルアートも同様なので必ずしもNFTの独自性ではありません)
こうした意味において、NFTの盛り上がりに貢献できれば、環は嬉しく存じます。