OI分析の基本のおさらい
OI(建玉・ポジション)を分析することの意味は、それらが将来的に決済されるとき、ふつうは反対売買を伴うという特徴を活かすことにあるたぬ。
例えばロングが大量に積まれていたら、将来的にそれらは売られなければならないたぬ。
すると売り注文が出されて約定ていくので、価格は下がるだろうと予期されるたぬね。
このように積まれたロングが決済されることで価格が落ち込むことをロングメイキングとよぶたぬ。
ショートの場合は逆に、その分買われて価格が上がる可能性があるってことたぬ。こちらはショートカバリングっていうたぬ。
以上のもう少し詳しい話はこちらの記事みてね。たぬ。
現引き・現渡しという例外
・・・今太字で書いたところに「ふつうは」という文句が入ってるのに気づいたのは鋭いたぬきね。
そう、これには例外があるたぬ。
つまり、FX(とか先物とかのデリバティブ)マーケット上で反対売買を伴わないまま、そのポジションが解消される可能性があるっていうことたぬ。
とはいっても、そのポジションは蒸発して契約が踏み倒されたとかっていうわけではないたぬ。
そうではなく、FXでの反対売買の代わりに、現物を取引することによってポジションを相殺する仕組みが用意されてるわけたぬ。
ロングポジション解消の場合を「現引き」、ショートポジション解消の場合を「現渡し」っていうたぬ。
- 現引き: ロングポジションを反対売買する代わりに、その分の現物を買い取ることによって埋め合わせてポジションを解消すること。
- 現渡し: ショートポジションを反対売買する代わりに、その分の現物で支払いすることによって埋め合わせてポジションを解消すること。
このようなケースでは、FXマーケット上での反対売買が行われないまま積まれたOIが消滅するたぬ。
そのため、もし大量ポジションを保有する大口がこれらを行うと、本来OI分析が予期するようなロングメイク・ショートカバーが起こらないままOI水準がいつの間にか急落するということがあるたぬ。
これがOI分析の例外たぬ。
BTCではそんなに馴染みのある動きではないたぬけども、たまにそれっぽい動きがあるたぬ。
具体例
現引き(2019年11月25日 USTLONGS)
11月末、現引きが起きたと思われる好例をキャプチャできたので紹介するたぬ。
これは「BTC記録」に載せておいた例たぬ。画像はそこのを使うたぬ。
(参考 2019年11月27日 ビットコイン挙動不審でなんか変たぬ )
これみてくれたぬ。
まず下段のOIを見ようたぬ。
ここではUSTLONGS、つまりテザー建てロングがごっそりと減ってるたぬ。
この画像だと割合がわからんたぬけど、27日の「記録」の他の画像を見てもらったらわかるように、この時約2か月かけて積まれたロングの大部分が失われているたぬ。
これだけ巨大なロング減が起こったなら、OI分析の基本的観点からは当然価格は暴落してるだろうと予測されるたぬ。
なぜなら、その分だけ売られたということだからたぬ。
・・・で、チャートの上段の実際の価格を見てみると、全然下がってないたぬ。
これはまさに、現引きによってポジションが解消されたから売られなかったためだと考えられるわけたぬ。
この例の注意!
ただし、この画像がちょっと紛らわしいのは、下がらないだけじゃなくむしろ暴騰していることたぬ。
けれども、この暴騰に関しては現引きのためというよりも、USDLONGSつまりドル建てロングが新規で大量に積まれたからだと思われるたぬ。
割合ではなく絶対値で見とくとわかりやすいたぬ。
このように、現引きと思われるテザー建ての解消とほぼ同じタイミングで、ドル建てロングが急増していることがわかるたぬ。
だから、環はここに関しては、テザー建てロング解消と価格上昇は疑似相関だったと考えてるたぬ。本当の因果関係にあるのは、むしろドル建てロング急増の方ってことたぬ。
現渡し(2019年12月8日 USTSHORTS)
さっきのケースから10日ほど後、今度はUSTSHORTSで現渡しと思われる動きが見かけられたぬき。
画像下段ではUSTSHORTSが激減しているたぬね。
本来ならショートカバーが起こって暴騰すると予想されるたぬけども、上段のこの時間の価格を見ると、横ばいたぬ。
大量のポジション解消の割に価格への影響がなく、これは現渡しがなされたと思われるたぬ。
まとめ
そんなわけで、今回紹介した現引き・現渡しは、ビットコインではそんなに頻出する現象ではなく、むしろ基本的なOI分析の例外としておさえておきたいものたぬ。
繰り返しになるけど、環はビットコインにおいてOI分析を非常に重視してるたぬ。だから今回でOI分析記事は4個目だし、「BTC記録」でもOIに言及してないことはほとんどないと思うたぬ。
けれども、このように、現引き・現渡しという例外があることを忘れてはならないよっていうことで、今回改めて記事にしたわけたぬ。
絶対確実の分析方法があったら嬉しいけども、ま〜そんなもんは期待するだけ損だと思うたぬ。OI分析も、かなり重要だけども通用しない例外的ケースがあるっていうことを知っておいて欲しいたぬ〜。