【2019年11月5日執筆】
- この記事を書いたきっかけ
- 「Liquid 追証」で検索しても公式ページの情報がヒットしない
- Liquid公式ページで証拠金取引に関する記載を確認する
- Liquid, Help center「各種規定」を確認する
- 結論: 「追証なし」なんて公式のどこにも書いてない。むしろ不足金入金はあるって書いてある。
この記事を書いたきっかけ
Liquidはほとんどどのサイトを見ても、追証がないと紹介されているたぬ。
たぶん、みんなもそう思ってるんじゃないか?たぬ。
環もそうだった。
でもBTCFXの入門記事を書いているときに、そこでデメリットごとに公式のソースを全て列挙していく作業をしていて、気づいたぬき。
・・・Liquidの公式ページのどこに「追証なし」って書いてあるんだ?
・・・馬鹿な!たぬ。
環が確認したどのサイトを見ても、ほぼ「Liquidは追証がないから安心!」みたいに書いてあるたぬ。
それらのサイトが全部間違えてるなんてことあるか?間違えてるのはたぬき、おまえなんじゃないたぬか?
けれども、「追証なし!」って紹介しているサイトではその旨の書かれた公式ページのURLがどこにも載ってないたぬ。
仕方がない、他サイトさんはどうあれ、環は仮にも東大たぬき。公式ソースに当たれないような重要情報をはっつけることはできんたぬ。
ましてや追証の有無というのはリスク情報として最も重要なものの1つたぬ。無根拠に紹介なんてできないたぬ。
そんなわけで環はLiquidのホームページ、ヘルプセンターの記事、公式ブログなどなどの、追証や証拠金取引に関連しそうなやつを片っ端からチェックしたぬき。
すぐに見つかるはず・・・そう思ってたぬき。
それは意外と長い旅の始まりたぬ。
結論からいうと、「追証なし」なんてどこにも書いてないたぬ。
そんなわけで、今回は環がどうやって調べたかの報告記事たぬ。
例のごとく、引用中の強調や色は全て引用者によるたぬ。
またこの記事の情報は2019年11月5日時点でのものたぬ。
「Liquid 追証」で検索しても公式ページの情報がヒットしない
・・・もうこのあたりから不穏たぬ。
普通、「取引所名+追証」で検索したら公式はすぐヒットするたぬ。
GMOコイン
一番上じゃないけど、二番目に出てくるたぬ。
・・・じゃ、「Liquid 追証」は?
一番上のは広告で、トップページに飛ばされるから無視するたぬ。
すると、上位に出てくるのは、第三者の紹介サイトばかりたぬ。
で、それらには基本的に「追証なし」という風に書かれているたぬ。
もうちょいスクロールすると、かろうじてLiquid公式ブログの「追証とは」という記事にたどり着くたぬけど、ここにはLiquidの追証情報について特別言及がないたぬ。この記事の内容については後で触れるたぬ。
そんで、もっとスクロールすると・・・
・・・結局出てこないまま検索トップページ終わっちまったぬき。
う〜ん。仕方がねえ。ググって出ないならLiquidのホームページにある、関連しそうなページを片っ端からチェックするしかないたぬね。
Liquid公式ページで証拠金取引に関する記載を確認する
まずさっき見つけたやつから確認しようたぬ。
① Liquidブログ「追証とは」(2018年 7月 9日)
https://blog.liquid.com/ja/glossary/margin-call/
日本国内の取引所はすべて追証があります。追証がない取引所を利用したい場合は海外の取引所を利用することになります。
なお、追証がない取引所でも、ロスカットに至るレベルが預けた証拠金の80%前後と高く設定してあれば、突然のロスカット発生といった事態を避けられる可能性は高くなります。追証がない取引所を利用する場合は、ロスカットレベルが証拠金のどれくらいに設定されているのかを事前にチェックしておくことが大切です。
・・・ん?
このページには「Liquidはどうなのか」ってことは書いとらんけど、一般に「日本国内の取引所はすべて追証があります」って書いてあるたぬ。
んん〜?
てことは、むしろLiquidにもあるって、暗に言ってるんじゃないたぬか?
しかしこれだけでは証拠として弱いたぬ。
まず、Liquidにあるともないとも、どっちとも明言はされてないたぬ。
それに、更新日が「2018年 7月 9日」と比較的古いたぬ。もしかしたら今は変わってるかもしれんたぬ。
じゃ他に関連しそうなのはどのあたりのページだろうか?たぬ。
② Liquid, Help center 「証拠金維持率とロスカットルール」(2019年 9月 18日更新)
更新日は比較的最近たぬけど、ここには追証についての情報は見当たらなかったぬみ。
③ Liquidブログ「暗号資産 / 仮想通貨のレバレッジとは?基礎知識から「リターン」「リスク」も徹底紹介」(2018年 7月 22日)
https://blog.liquid.com/ja/knowledge/bitcoin-levarage/
・・・こんな感じで、どうも追証についての記載がなかなか見つからないたぬ。
Liquid, Help center「各種規定」を確認する
どこにも書いてない、なんてことはないはずたぬ。
リキッドは仮想通貨交換業者登録として金融庁に登録されている取引所たぬ。
だから追証のようなはっきりしたリスクについて本当にどこにも記載がないとは考えにくいたぬ。
Liquid.comのページスクロールして一番下のところを探すたぬ。
するとちっこい字でそれっぽいリンクを発見できたぬき。
水色で囲った「各種規定」ってとこがどうやら肝心なポイントみたいたぬ。
Liquid, Help center「各種規定」(2019年10月29日)
https://quoinexjp.zendesk.com/hc/ja/articles/115009415988
このページには9つのpdfが含まれているたぬ。
安全上、環はブログにダウンロードリンクを直に貼りたくないので、各自で手に入れて欲しいたぬ。環もダウンロード済みたぬ。
この記事は更新日も先週と、かなり新しい。
さあ・・・この中に答えが隠されいるはずたぬ・・・。
洞窟の中に伝説の秘宝を探しに来た探検家の気分たぬ。ドキドキ・・・。
それじゃ、行くたぬよ。
「4.取引ルール」の「6. 差金決済取引に関するルール」
相場状況が急変した場合その他理由がある場合には、最終決済価格がロスカット執行時点の価格から大きく乖離して約定することがあり、お客様が当社に預託された金額を超える損失が生じる可能性もあります。その場合、金銭および仮想通貨の出金ができなくなるほか、お客様は発生した不足額を当社へ速やかに入金することを異議なく承諾するものとします。 なお、円貨以外の通貨で発生した不足額については、自動的に 円貨へ転換させていただきます。
システム障害等の原因により、ロスカット取引の手続きが行われなかった場合、想定以上の損失が発生し、あるいはお客様が当社に預託された金額を上回る損失が発生するおそれがあります。この場合であっても、当社は、お客様に生じた損失につき、賠償する責任を負わず、お客様は、発生した不足額を当社へ速やかに入金することを異議なく承諾するものとします。
ロスカットその他の理由により不足額が発生した場合において、お客様からの不足額の入金が確認できないときは、お客様が当社に預託する金銭又は仮想通貨を、当社の裁量にて、仮想通貨の金銭への換価等の措置を講じた上、不足額に充当することを異議なく承諾するものとします。
赤字に注目してくれたぬ。はっきりと不足額の入金について書いてあるたぬ。
これが追証・補填リスクでなければ他になんだっていうたぬか?
・・・「異議なく同意」って書いてあるたぬけど、「追証ないから安心!」って言ってる人たちは大丈夫たぬか?
もし単に広告貼ってるだけじゃなく、サイトの管理人も利用しているなら、その人もすでに異議なく同意してることになるたぬけど。全く正反対に理解してたみたいたぬけど、異議ないたぬよね?
もう一個ダメ押したぬ。
「6.仮想通貨取引におけるリスク」
6. レバレッジ効果等によるリスク
〈レバレッジ取引特有〉
仮想通貨のレバレッジ取引においては、証拠金の元本及び利益が保証されたものではありません。
(略)
そのため、市場がお客様のポジション(建玉)に対し、不利な方向に変動した場合、 お客様の損失の拡大を防ぐため、当社の所定の方法により、強制的にお客さまのポジション(建玉)の全部を反対売買し、決済させていただく可能性があると共に、投資した資金(預託した証拠金の金額を含みます。)を超える損失の拡大を被る可能性もあります。
7. ロスカットによるリスク
〈レバレッジ取引特有〉
ロスカット制度とは、証拠金維持率がロスカット率を下回った際に、損失の拡大を防ぐために、証拠金維持率がロスカット率を回復するまで保有するポジションのうち1 BTC又は1ETH当たりの評価損の大きいポジションから強制的にお客様のポジションを成行で反対売買して決済することができる制度です。
ロスカットにおける最終決済価格は市場価格によって決まるために、決済が完了するまで損失額は決定しません。
相場状況が急変した場合その他理由がある場合には、最終決済価格が執行時点の価格から大きく乖離して約定することがあり、お客様が当社に預託された金額を超える損失が生じる可能性もあります。なお、発生した不足額はお客様が当社へ速やかに入金するものとされています。
結論: 「追証なし」なんて公式のどこにも書いてない。むしろ不足金入金はあるって書いてある。
今まで見て来たようにどこにも追証不要だって話は書いてないたぬ。
それどころか、はっきりと「お客様は、発生した不足額を当社へ速やかに入金することを異議なく承諾するものとします。」書かれているたぬ。
なおこの「異議なく承諾するものとします。」は約款によくでてくる定型文句たぬ。
・・・じゃ、「追証なし」っていう話はなんだったんだ?
どこからどう流れたのか、あるいは昔はそう明記されていたのか、そこまではわからなかったぬき。
ただ、現状に関しては根も葉もない噂レベルに見えるたぬ。だって公式ページのどこにも書いてないし、むしろ真逆のことが書いてあるたぬから。
・・・それにしてもどこもかしこも「追証なし」、だから安心て書いてあったぬ〜。
はっきり追証の可能性を書いて合ったのは、環が今回確認できた中では一件だけたぬ。ただその一件も公式ページのどこに書いてあるかURLを貼ってくれてはなかったぬき。
でも「Liquid 追証」でググって出てくるのはアフィサイトばかりで、本家リキッドの公式ページは全然ヒットしなかった。
環もアフィリエイト貼ってるたぬし、アフィサイト自体を非難はしないたぬ。
あるサイトが、環と違ってもっぱらアフィリエイトしかしておらず、トレードをやっている気配がなかったとしても、この話とは無関係たぬ。
でも、この件みたいに、「追証・不足金入金」という非常に重要なリスク情報について、その旨の記載されている公式ページへのリンクや引用もなく、不正確、というかあるものをないという風に全く真逆の情報を流通させるのはどうかと思うたぬ。
もちろん全てのサイトがそうな訳ではないたぬ。このことに当てはまらないサイトのことは関係ないたぬよ。
なお、Liquid自身は別に誤った情報を載せているわけでもないし、むしろ今まで見て来たように、よ〜くみたらはっきりその旨を書いてあるたぬ。
でも、他の取引所みたく、もっとホームページのわかりやすいところでリスク喚起して欲しいたぬね。
特に検索しても出てこないようなpdfファイル中に記載っていうのは、アクセスしやすい情報とは言えないたぬ。これじゃいつかトラブルになりかねないと思うたぬ。
めぼしい取引所ではどこもFAQにも記載があるし、そこで太字や色付きでしっかりと強調しているたぬ。もちろんググって出てこないなんてこともないってのは、最初に確認したぬき。
別にLiquidが嫌いだからこんな記事書いたわけじゃないたぬ。バッシングする意図もないたぬ。
環自身もLiquidユーザーだし、QASHまで持ってるたぬ。LiquidのCEO栢森氏が東大法学部出身とのことも、環の大学の先輩にあたるってことで個人的な親近感もあったぬき。(じゃ鳩山由紀夫元総理とかにも親近感あるのか?って言われたらなんともいえねぇたぬけど)
だから、Liquidにはもう少しユーザーにわかりやすいリスク喚起をして欲しいたぬ。
実際のところどれだけのユーザーが「不足金入金アリ」を理解しているのか、わからないたぬ。けれども、少なくとも検索結果レベルではかなり多くの人が誤解していてもおかしくなさそうたぬ。
なお、今回の件があったので、環はブログからLiquidのアフィリエイトを全て削除したぬき。万が一残っていたらツイッターのリプライとかで教えて欲しいたぬ。