以前、BTCFXについては現物取引との対比でちょっと言及したぬき。
そこで、現物取引のデメリットを紹介しながら、「現物取引ではなくFXならそうしたデメリットがない」ということを言っていたのを覚えているたぬか?
今回はいよいよ、今回はBTCFXって何なの、どんなメリットやデメリットがあるの、って話をするたぬ。入門たぬきにぜひとも知っておいて欲しいことを、かなり詳しく書いたぬき。
「BTCFXそのものについては知ってるから、さっさと取引所の話を聞かせろ」ってたぬきは「第2回」に進んでくれや
第1回 国内BTCFX(レバレッジ取引)のメリットとデメリット
BTCFXってなに?
本題に入る前に用語の注意たぬ。
BTCFX(ビットコインFX)は取引所によって呼び方が違うたぬ。例えばbitFlyerでは「BTCFX」、GMOコインでは「レバレッジ取引」と呼ばれてるたぬ。
ここでは以下の説明に当てはまるものを全てBTCFXという言葉で呼ぶたぬ。
手短に言えば、BTCFXとはBTCそのものではなく、BTCと連動した何らかの数字を売り買いするものって理解すればとりあえず問題ないたぬ。
それを専門用語で表現すると、こんな感じたぬ。
「デリバティブの一種であり、用意した証拠金に対しレバレッジをかけてポジションを取り、反対売買すること利益を得る差金決済取引のこと。」
太字の用語を簡単に説明するとこういうことたぬ。説明のために黒い太字も載せたぬけど、実際に取引する上では赤い太字の意味がわかれば問題ないたぬ。だから見やすいように、黒いところの説明はちっちゃくしといたぬき。
- 証拠金: FX口座に入れておく軍資金のことたぬ。
- レバレッジ: 証拠金に対し、何倍ものお金を動かせるってことたぬ。証拠金を超えてる分のポジションは誰かから借りてくるという形になっているたぬ。
- ポジション: BTCFXで売買の対象になるのはビットコインそのものじゃないたぬ。大雑把にいうと、ビットコイン価格に連動した数字をやり取りするたぬ。例えば、FXで1BTC=100万円の時に、5BTC分買ったとするたぬ。この時、5BTCそのものを買ったわけじゃないたぬ。5BTC相当のポジションを買った(買いポジションを5BTC分持っている)、ということたぬ。尚、買いポジションのことを「ロング」、売りポジションのことを「ショート」っていうたぬ。*1
- 反対売買: 買いポジションを持っているなら、売ることたぬ。ポジションを持って放っておくと、含み益(含み損)が出るたぬ。含み益(含み損)ていうには、まだ利益が確定してない状態で、もし今確定したらこんなの利益(損失)になるよってことたぬ。そして、利益を確定するためには反対売買が不可欠たぬ。
- 差金決済: さっきもいったように、FXは実物を売り買いするのではなく、実物に連動した数字を売り買いするたぬ。だから、例えば1BTC=100万円で1BTC分の買いポジションを持って、それを1BTC=110万円に売ったとすれば、110-100=10万円分の差額を利益として手に入れることになるたぬ。これが差金決済ってことたぬ。
よくわからんたぬきは、とりあえず「手短に言えば」のとこだけ理解してくれたぬ。
メリットとデメリットで具体例を見ればわかると思うたぬ。
BTCFXのメリット
① 少ない元手でも利益を出せる
現物取引のデメリット①と対称的たぬ。現物取引では元手によっては全然利益が出せない、という話をしたぬき。
けれども、BTCFXでは必ずしもそうではないたぬ。それを可能とするのがレバレッジの存在たぬ。
さっきいったように、レバレッジとは証拠金の何倍ものお金を動かすことができる、という仕組みのことたぬ。
具体例として、現物取引の第1回で出した例をもう一度出すたぬね。
元手となる資金が10万円だったとするたぬ。そして1BTC=100万円の時に買って、101万円の時に売るたぬ。
現物取引の場合: 買えるのは10万円÷100万円=0.1BTC分たぬ。だから、
(101万-100万)×0.1=利益1000円
こないだ見たやつたぬね。これに対し、
レバ100倍のBTCFXの場合: 買えるのは(10万円×100)÷100万円=10BTC分たぬ。だから、
(101万-100万)×0.1×100=利益10万円
全く同じように動かすなら、レバレッジをかけた分だけ利益は上がるということたぬ。
ただ、日本の取引所では現在100倍もかけられないたぬ。日本の取引所では基本的に最大レバレッジが4倍たぬ。それに合わせてた例だと、
レバ4倍のBTCFXの場合: 買えるのは(10万円×4)÷100万円=0.4BTC分たぬ。だから、
(101万-100万)×0.1×100=利益4000円
100倍というのは極端*2たぬけど、4倍だって現物に比べたら大きい利益たぬね。
② 売りから入れる
さらに鬼に金棒なのが、FXでは空売り、つまり売りから入ることができるたぬ。これもまた現物取引のデメリット②と対称的たぬ。第1回 BTC現物取引のメリットとデメリット
例えば1BTC=100万円の時に、これから下がりそうだという感じがしてきたとするたぬ。
これが現物取引だったら、下がりきるまで待たないといかんたぬよね。1BTC=90万円のに下がったところで買ったとして、その後80万円まで落ち続けたら損しちゃうたぬ。しかし、前にもきたように、どこまで落ちるかは中々難しい判断たぬ。
他方、FXではいきなり売りから入ることができるたぬ。
これによって、下がりそうだと思ったら、下がりきってから買うのを待たずに、いきなり売りから入って利益をあげることができるたぬ。
例えば、1BTC=100万円の時に、証拠金100万円にレバレッジ4倍かけて空売りしたとするたぬ。そして、さっきの例のように、80万円まで下がったとするたぬ。すると、利益は
(100万円-80万円)×4=80万円
そして、空売りのメリットは単に下がってるときでも稼げるということに止まらないたぬ。
というのも、一般に上がるときよりも下がるときの方が値動きが速いといわれているからたぬ。
つまり、レバレッジをかけた空売りによって取引タイミングが増えるだけでなく、より短期間で大きな利益をあげることができるってことたぬ。
特に暴落していくときは短期間で莫大な利益をあげることができるたぬ。
暴落時の空売りで利益を出すことの実例は、例えばこの記事。
これは数時間で元手が50倍になった例たぬ。ただしこの記事は海外取引所での例たぬ。
BTCFXのデメリット
FXには大きなメリットがありながら、デメリットもあるたぬ。そこをしっかり確認しようねたぬ。
① 負けたときの損失も現物より大きい
レバレッジをかけて取引することは諸刃の剣たぬ。短期間で大勝できるっていうことは、短期間で大敗する可能性もあるってことたぬ。
レバレッジの倍率を高くるほど、ハイリスクハイリターンになっていくたぬ。入門たぬきが大きな倍率をかけることは危険がいっぱいたぬ。
日本の取引所は現在4倍が上限たぬけど、海外では100倍っていうところもあるたぬ。100倍でやると超ハイリスク超ハイリターンになるたぬ。詳しくはそっちについての記事見てくれたぬ。
② 現物取引にはないポジション手数料(スワップ)がある
取引所によって具体的な時間は違うたぬけど、FXでは一日に一度、その時間を超えてポジションを持っていると手数料がかかるたぬ。この手数料を「スワップポイント」といい、その時間を超えてポジを持ち越してスワップが発生することを「ロールオーバー」っていうたぬ。
これはFXにはあるけど現物取引にはない手数料たぬ。FXはレバレッジをかけて大きな金額を動かせる代わりに、現物ではかからないような手数料を払わなきゃいけないんだたぬ。詳しい話は取引所選びの回にするたぬけど、取引所によっては馬鹿にならない額のスワップがかかるたぬ。要注意たぬ。
ちなみに、日本の取引所では今のところスワップは支払うだけの手数料たぬけど、海外取引所では支払うだけではなく、逆に貰えることがあるたぬ。
③ 強制ロスカットがある。
現物取引で含み損が生じた場合、その気になれば一生保有し続けて損失を確定させないことができるたぬ。(ただ、そんなことは実際にはしない方がいいと思うたぬ。その理由は現物取引のデメリット③に書いてあるたぬ。)
ところが、FXではそうはいかないたぬ。強制ロスカットがあるからたぬ。
各取引所の定めるルールに従って、一定の証拠金維持率を割り込むと強制的に含み損を実現させられるたぬ。放置し続けることに限度があるってことたぬ。
例えば強制ロスカットされるのが証拠金維持率50%だ決められている取引所を使ってるとするたぬ。そこで、証拠金100万円でレバレッジ4倍で買いポジションを持っているとするたぬ。計400万円分たぬね。
ここで、どんどん含み損になっていくとするたぬ。証拠金100万円の50%は50万円たぬから、50万円分の含み損が出たとき(この400万円分の買いポジションが350万円分になったとき)に自動的に反対売買されて損失が確定するたぬ。
さらに、取引所によっては別途ロスカット手数料が定められているたぬ。つまりただでさえロスカットを食らう大損失が出ている上に、手数料で追撃されるってことが起こり得るたぬ。
④ 取引所によっては追証がある。場合によっては借金が発生する。
追証というのは、取引所によって「これだけの率維持してね」という決められた証拠金維持率を割り込んだときに、証拠金維持率を保つため追加で証拠金を入れる決まりのことたぬ。(具体的な話は次回するたぬけど、追証がないところもあるたぬ。)
特に、強制ロスカットが発動するような急激な大敗の場面では、追証を求められるラインを超えて証拠金がマイナスになることがあるたぬ。ロスカット手数料で追撃されたりするとなおのことたぬ。
そういうとき、仮に証拠金がなくなって口座残高がゼロになっていても、それ以上のお金を追加で取引所に払わなければならないことがあるたぬ。つまり取引所に借金してる状態になるたぬ。
それから、「追証というのは大負けしたときに取引所に借金すること」...という風に考えられがちたぬけど、実はこの説明は厳密ではないたぬ。確かに基本的には同じようなことたぬけど、あくまで追証というの証拠金維持率を保つために追加で証拠金を入れろ、という制度だということを忘れてはならないたぬ。
というのも、「追証なし」となっていても、証拠金マイナスになったら追加で支払わなければならないと決められている取引所もあるたぬ。これは要注意たぬ。そういう注意も、次回、取引所の比較のところに書いておくたぬ。
実際には、しっかりと損切りをすれば借金にまで至ることはそうそうあることじゃないたぬ。含み損が出てるのに放置し続ける「塩漬け」をやらずに、撤退すべきところは撤退することが重要ってことがよくわると思うたぬ。
環は普通のFX(外為FX)では追証・借金でヤバいことになったみたいな話はよく聞くたぬけど、BTCFXではほとんど聞いたことがないたぬ。環自身がそういう事態に陥ったこともないたぬ。けれども、可能性としてはゼロではない、ってことは理解しておかねばならんたぬ。リスクを軽視してはいかんてことたぬね。
今回の要点
- FXはハイリスクハイリターン
- FXは最悪の場合、借金が発生する可能性がある
- FXは空売りができるので取引タイミングが多い
結論: FXは短期トレードで稼ぐことに向いているたぬ。暴落時にも稼げるたぬ。けれども、ハイリスクハイリターンたぬ。予期せぬ大敗も起こりえるたぬ。取引所によっては借金も発生するたぬ。そういうリスクもよく理解しておく必要があるたぬ。
取引所の比較は第2回で詳しくやってるたぬ。特にみんな気になる追証・借金関係の話は相当しつこくやったぬき。