「レバ4倍が低くて儲けが出にくいっていうのはわかるたぬ。でも別にそれで損するわけじゃない〜」
ってたぬきのための記事たぬ。
結論からいうと、場合によっては損してるって考えるべきだと思うたぬ。
だから環はやめたぬき。
低いレバ一般について、なぜそれが「損」なのか
「え?儲けが出にくいだけじゃないんかい?」って思ったぬきはある重要なことを忘れているたぬ。
それは・・・
機会損失
「機会損失」opportunity lossというのは、簡単にいえば「あ〜アレやってりゃ儲かったのにやってねえから儲からなかった〜」ってことを意味する、経済学の重要な概念たぬ。
具体例で考えた方がわかりやすいと思うたぬ。こんな感じたぬ。
例えばある月末の金曜夜10時に、勝率99%以上を誇る聖杯じみたトレードシグナルが出ているとするたぬ。
いつもならトレードしてる時間だけど、その日はたまたま、救いようのない会社の飲み会に半ば強制連行されていたとしようたぬ。しがらみたぬき。
そしてちょうどその22時は、酔っ払った上司の世界一どうでもいい説教を聞かされていたとしようたぬ。「嫌でも3年は働け!」とか経団連の手先みてぇなことぬかしやがってるわけたぬ。
「あ〜馬鹿馬鹿しいたぬ〜」つって帰ってきたのが夜中の1時。酒飲んじゃったし今日はもうトレードやらないで寝ると思いつつも、念のためチャートをチェックしたぬき。
すると、10時に聖杯が点灯していて、12時まで爆上げし、そして今全戻しで落下し終えたところだったことに気づいたぬき。
きっとこう思うはずたぬ。「なんやねん〜〜もしいつも通り直帰してトレードしてたらめっちゃ儲ってたのに〜〜」って。
この「もしああだったら儲かってたけどやれなかったから儲けられず」ってのが機会損失たぬ。
機会損失はダイレクトに証拠金を失うような普通の意味での損失ではないたぬ。
けれども、やればできたことをやれなかったってことは、本来なら儲けられた分がパーになったっていう意味で、実質的に損をしているのに等しいって考え方たぬ。
機会損失の考えは単なるトレーダー心理の問題ではないたぬ。すべての経済活動にとって極めて重要な考え方たぬから、これを見て見ぬ振りすることはできないたぬ。
例えば機会損失は法律にも関係あるたぬ。ここでは取得時効を取り上げるたぬ。
取得時効ってなにかなっていうと、「他人の物を勝手に20年間占有したら自分のものにしてもいい場合があるよ」っていうことたぬ。そういうことを法律が認めてるわけたぬ。
「は?めちゃくちゃすぎる・・・そんな法律あるわけがねえ!」って思ったぬきか?
じゃ、総務省が管理するe-Gov法令検索で民法の条文を確認しようたぬ。162条をみるたぬ。
(所有権の取得時効)第百六十二条 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
・・・ね?びっくりたぬでしょ?
「意味がわからねえ、なんで他人のものを勝手に占有したら合法的に奪えるっていう法律があるんだ?」ってのが常識的な反応だと思うたぬ。環も最初びっくりして憤慨したぬき。
じゃなんのためにこんな一見めちゃくちゃなものがあるかについては色々解釈ありたぬけど、ある説によるとそれはさっき言った機会損失に関わるらしいたぬ。
たとえば新宿の商業激戦区の一等地に、でっかい空き地を野ざらしにしとくことを考えてほしいたぬ。
そのような場合、空き地の所有者はそこを占有しほっぽらかしにすることで、「もし他の人が使ってたら経済活動ができただろうにもったいねぇなぁ」っていうことをしてるわけたぬ。
これをいいかえれば、「ある人がその土地を占有することで、他の経済参加者に機会損失をおしつけてる」ってことになるたぬ。
だから、「その土地の占有において、責任持って活用しないようなやつより、仮に元はと言えば不法な手段であっても、長いこと土地を有効活用してるやつにくれてやった方がいい」、っていうのが取得時効を正当化する一説たぬ。
これに納得いくかどうかは別として、こんな感じで、トレード以外の場においても機会損失が非常に重要な考え方だとわかってくれればオッケーたぬ。
低レバと機会損失
もうここまで読んだらわかったと思うたぬけど、一応いっておくたぬね。
低すぎるレバレッジのトレードをやってるってことは、その分だけ資金が拘束されているわけたぬ。
もし他の全ての条件が同じなら、それは、もっと高いレバレッジで運用すれば儲けられたはずの分の機会損失を抱えるってことたぬ。
例えば25万円の証拠金を使ってビットコインFXをやることを考えて欲しいたぬ。
レバ4倍で1万円儲けが出せたとするたぬ。証拠金25万円で利益1万円ってのは全然ありえる話たぬよね。でも、もしそれがレバ100倍だったら25万円の儲けだったっていうことたぬ。25万-1万=24万円の機会損失たぬ。
同じように100回レバ4倍トレードして100万円の儲けが出ていたらすごいたぬよね。でももしレバ100倍でやれたなら、2500万円たぬ。2500万-100万=2400万円の機会損失たぬ。
このように、同じ時間かけて同じトレードをしても、レバが低すぎるというだけで機会損失するわけたぬ。
このようにレバレッジはとっても重要たぬ。
環は姉妹ブログでハイレバ図鑑ていうコーナーで、レバが大きい業者をまとめてるたぬ。有名業者でかつレバ100倍以上を条件にしてるたぬよ。今載ってるのは最低のとこでも100倍、最大で888倍たぬ。
とくにBTCFXに関して
特に国内BTCFXに資金拘束されることは、レバレッジ以外にも色々な側面で機会損失を盛り上げているたぬ。いくつかポイントを指摘するたぬ。
(1) BTCFXのレバは100倍まであげられる
機会損失っていうのは、「別の可能性だったらこれくらい儲かっただろうという予想と現実との比較」をやってるたぬけど、その「可能性」はめちゃくちゃなものではなく、合理的に可能なものじゃないとダメたぬ。
例えば「レバレッジ4億倍だったらレバ4倍の1億倍の利益が出ていたのに〜」っていうのはほぼ不合理な妄想たぬ。レバレッジ4億倍の取引所は存在しないし、多分今後もできないと思うたぬ。
けれども、100倍だったら合理的な比較たぬ。
BTCFXについては、海外に目を向ければ今の所最大レバレッジは100倍だからたぬ。
だからさっきやったような「レバ4倍だとこうだけど100倍だとこうだったのに〜」っていう機会損失の計算は合理的で意味のある比較たぬ。やろうと思えば100倍でやることができるわけたぬから。
参考: レバ100倍のBitmexちゃん
(備考) 追証もなくせる
以前見たように国内BTCFXでは追証または不足金入金は必須たぬ。そしてこれが存在する以上は無視していけいけドンドンでやるわけにもいかんたぬ。
でもやっぱり、海外のBTCFX取引所を使えば追証リスクもないたぬ。
海外BTCFXについては姉妹ブログで主題的に取り上げてるたぬからそっち見てねたぬ。
環は国内ではもうやってないたぬ。
(2) 低いレバ追証ありなのに税率が高い
今度は海外BTCFXではなく、国内の他の投資方法と比較しようたぬ。
例えば同じくらいレバの低い株の信用取引を考えるたぬ。
でも、国内BTCFXに比べて明らかに優れている点があるたぬ。
それは税率たぬ。
BTCFXだけでなく、仮想通貨の利益は全て、最大で55%の税金がかかるたぬ。
でも株の場合は違うたぬ。株による利益は申告分離課税が適用されて、一律20.315%たぬ。
そんなわけで、レバはほとんど同じ、株の方が微妙に低いたぬけど、一定以上利益がでた場合、税金を考慮すると手元に残るお金は全然違うたぬ。
例えばBTCFXで1億円の利益が出たら、税金で5500万円引かれて手元に残るのは4500万円たぬ。
けれども株の場合、税金は約2000万円で、手元には約8000万円のこるたぬ。
この比較では、全く同じ額の利益が出ているのに、収入として株の場合はBTCFXの1.7倍以上になってるたぬ。
こんなに税金による差が大きいわけたぬ。
税金による差額を埋めるくらいの利益が出せなければ、BTCFXをやる意味はないわけたぬ。
そして、低すぎるレバレッジではその差を埋めることはなかなかに難しいたぬ。
ちなみに仮想通貨の税金の話は以前姉妹ブログでちょっと書いてるたぬ。↓の記事の前半に書いてあるたぬ。
さっき総務省のページ参照したように、こっちは国税庁からの引用つきたぬ。環は重要な話は必ずオフィシャルなソースで引用するたぬ。
どんな人になら国内BTCFXにメリットがあるか
このうように国内BTCFXは、基本的には機会損失も甚だしいたぬ。
じゃどんな人にならトレードするメリットがあるだろうか、たぬ。
(1) レバの低さを補うほどの資金力がある人?
これはたぶん×たぬ。
理由は税率が高すぎるから。
それだけの資金力(例えば1000万円以上)があるなら株の信用取引の方がいいんじゃないかって思うたぬ。
さっき見たように、レバレッジはほぽ変わらないけど税金が違うたぬ。BTCFXの場合と比べると、最大で半額以下に抑えられるからたぬ。
(2) botter?
これはちょっとわからないたぬ。っていうのも環はbotterじゃないから、あまり詳しいことが言えないたぬ。
ただ、国内最大のBTCFX取引所であるbitFlyerはスリップが大きいことに定評あるたぬから、成行でしかけるようなbotは他の取引所の方が使いやすそうたぬ。
そして国内では他の取引所は出来高が低くて、bot云々以前にあんまりトレードする場に適してなさそうたぬ。
もちろん環にはわからない、botterならではの観点からあえて国内BTCFX取引所を使う余地は大いにありえる話たぬ。
誰にメリットあるのか?
ほかにどんなトレーダーにとって国内BTCFXが海外BTCFXや国内外のその他の投資より優れているか、わからんたぬ。つまりやる意味がわからんたぬ。
そして、環以外の多くのトレーダーもまた「やる意味がわからん」って思ったみたいたぬ。
実際、今年春のレバレッジ自主規制の後、多くのトレーダーが国内BTCFXから撤退してるらしいことが出来高からわかるたぬ。
例えば最大の取引所であるbitFlyerでは「15倍から4倍に引き下げたあと、出来高は半減している」ってつい昨日Coin Deskがツイートしていたぬき。
たぬき訳「レバレッジってデリバティブ市場の出来高にどれくらい重要かな?ビットフライヤーは15倍から4倍にしたらこんなことになっちまったよ〜」 https://t.co/k5r4sZQDt7
— 環(東大たぬき) (@tanubitUT) November 13, 2019
じゃみんなどこにいったのか。
データとれてないたぬけど、TwitterみてるとたぶんBitmexあたりなんじゃないかと思うたぬ。環もBitmexに移行したぬき。
まとめ
- 国内BTCFXはやる意味(メリット)がほぼ無く、逆にやってることでデメリットがある。つまり資金力を割くことによって機会損失する。
- どんなトレーダーにとって「メリット>デメリット」なのかはよくわからない。
ちなみに環は先月いっぱいで国内は完全にやめたぬき。See you〜
海外取引所については姉妹ブログ見てね〜たぬ。