トレードにおいて価格変動の合理的な分析ができなければ、それはほとんど運任せみたいなもんで、博打と同じになってしまうたぬ。
トレードにおいては、それがいかに短期的であったとしても、根拠のある取引を行うことで利益を上げることを目指すたぬ。それは世間では「博打っぽい」と思われがちなビットコインであっても同じたぬ。ビットコインは博打じゃないたぬ。
今回は実際にどんな方法があるか以前に、まず分析ってどういうことをするのかのお話をするたぬ。
トレードにおいて価格の分析の仕方はふた通りあるたぬ。
① テクニカル分析
テクニカル分析は別名「チャート分析」たぬ。チャートの形を見て、この後上がるのか下がるのかを考えるたぬ。
例えば、ビットコインの例ではこんな感じたぬ。以前姉妹ブログではった画像たぬ。
こんな感じで、チャートを表示して、そこに「インジゲーター」(indicator つまり参考にする標識のこと)を出したり、「描画」(真ん中の網掛け三角形や平行線などをチャートに書き込むこと)をしたりして、次の価格変動を考えるのが「テクニカル分析」たぬ。
「ごちゃごちゃしててわからねえ!適当にお絵描きしてんじゃねえのか?」って入門たぬきは思うかもしれんたぬ。でも、描画は適当な落書きじゃないたぬ。一定のやり方を学んで、意味のある描画をすることがトレードでは重要なスキルたぬ。ちなみにこの画像はテクニカル分析が的中して大勝したときのやつたぬ。
ポイントは、普通の因果関係を前提とした分析(②ファンダメンタルズ分析)とは独立に、チャートだけを見て分析するというところたぬ。
だから、「なんで次は価格が上がるのか」の理由は、テクニカル分析ではほとんど「だいたいいつもこういう形になったら上がってるから」だけたぬ。
「チャート分析むずかしそう」って思うかもしれんたぬけど、実は以下で紹介する「ファンダメンタルズ分析」の方よりもテクニカル分析の方が重要だって考えているトレーダーもたくさんいるたぬ。特に短期トレードであるほど、テクニカルの重要性は強調されるたぬ。
理由はいくつかあるたぬけど、「結局のところ原因から結果を予想するのが難しい」ってことがあるたぬ。それなら、原因と結果のペアを考えるのをやめて、チャートだけ見て過去の動き方と比べるだけにしようぜっていうのがテクニカル分析の狙いたぬ。
特に短期トレードであるほど、どんな原因があるのかの分析は困難たぬから、テクニカル的に合理的であることは重要たぬ。
② ファンダメンタル分析
ファンダメンタル分析っていうのは、「具体的にどういう原因があるから価格がどうなるか」を考える分析たぬ。
異論もありうるたぬけど、だいたいのところ、テクニカル分析以外の(合理的な)分析のこと全てだと思って欲しいたぬ。それが「ファンダメンタル分析」たぬ。
常識的に考えたら、価格の上下変動には何か原因があるたぬよね?
テクニカル分析ではあえてそういうことを無視してるたぬけど、まあ常識的には原因を考えた方が結果は予想しやすいはずたぬ。ファンダメンタルの分析の狙いはそういうことたぬ。
「じゃテクニカルなんていらねーんじゃねえの?」と思われるかもしれんたぬ。
けれども、正確かつ信頼できるファンダメンタル分析を実践するのは非常にスキルを要するたぬ。まず意味がある情報を仕入れてきて、かつそれを適切に分析するっていうのはちょっと考えただけでも素人には難しいたぬ。それだけで職業として食っていけるものたぬから。
ところが、テクニカル分析っていうのは、実用可能なものにするまでそれほど熟練度を要求されないたぬ。まあ1か月くらい毎日チャート見て勉強していたらそのうちわかるようになってくるたぬ。
だから、ファンダメンタルはとても重要たぬけど、テクニカルを無視することはできないたぬ。
BTCのファンダ的な分析はテクニカルよりちょっと難しいたぬ。
また、ここで注意たぬ。
注意1 「材料」にとらわれるな
仮想通貨なら「ナントカ社がビットコイン決済サービス導入!上がるぞ、買いだ!」とか、株なら「決算が良い!だから買い!」みたいな、「材料」で判断することをやってしまいがちかもしれんたぬ。
仮想通貨でもるたぬけど、特に株でそういうことをやってしまう入門たぬきは少なくないと思うたぬ。環も初めて株をはじめた頃はそうだったぬき。
結論から言うたぬ。それは非常に危険たぬ。はっきりいってやめた方がいいたぬ。
まず、ニュースや新聞に出る情報(「材料」)はトレードの世界からすれば非常に出遅れているたぬ。
ニュースになるころには、鋭いトレーダーたちはみんな察していると思った方がいいたぬ。だから、ニュースになるより前にそのような材料がすでに価格に織り込まれているたぬ。
「噂で買って事実で売る」って言う投資格言があるたぬ。鋭いトレーダーたちは好材料が出そうな噂の時点ですでに仕込み終わってるたぬ。事実が報道されてからでは遅いたぬ。高値掴みになって塩漬けになったことはないかな?そう言うことたぬ。
それに、「材料」はそれだけで急騰を引き起こすパワーを持ってるわけじゃないたぬ。
材料っていうのは、その材料を見たトレーダーたちがどう思うかによってこそ、価格へ影響力を与えるたぬ。
他のたぬきが何考えているのかの心理戦はなかなか難しいたぬ。第一、いまでは機械で自動取引とかもあるたぬから、誰が何考えているかの予測はますます難しいたぬ。
もう一個注意たぬ。
注意2 「大衆心理にとらわれるな」にとらわれるな
これは別の機会にもう少し話すたぬけど、トレード入門本に書いてある、いわゆる「大衆心理を見抜く」みたいな話はほぼ全部無視していいたぬ。
自動取引ツールの心まで覗きこむことは理解しがたいたぬし、そもそも「大衆心理はこうだけどオレは違うぜ」みたいな発想は明らかに「大衆心理」っぽいたぬ。社会心理学で山ほど論文があるテーマたぬ。
第一、「自分だけは大丈夫」っていう思考はオレオレ詐欺とかによく引っかかる心理じゃないか?たぬ。日常生活でも注意喚起されているような考え方をすることこそ、よっぽど大衆心理的たぬ。
そういうエセ心理学の説教を読むくらいなら、最初から社会心理学や行動経済学の専門家が書いた本を読んだ方がしっかりした知識がつくたぬ。
備考: 建玉や注文からの分析はどっち?
ファンダメンタル分析の特徴づけを「将来の財務状況の予測に関わる分類」などとすると、建玉や注文はそうじゃないからテクニカルに分析されるたぬ。
例えば英語版のWikipediaの'Open Interest'ではそのような説明たぬ。
https://en.wikipedia.org/wiki/Open_interest
Use of Open Interest in Technical Analysis
Many technical analysts believe that a knowledge of open interest can prove useful toward the end of major market moves.
たぬき訳: 「テクニカル分析におけるOIの利用について。多くのテクニカル分析家はOIってスゲー使えるじゃんって思ってるよ」
ただ、財務状況っていうのは株ではそう言えるだろうたぬけど、非中央集権型のビットコインで財務状況ってなると、それはマネーフローくらいしかないと思うたぬ。
(おまけ) ③アノマリー
これはおまけたぬ。一応書いておくたぬけど、合理的な分析ではないたぬから、まあ趣味は否定せんけど環はやらないたぬ。
アノマリーってのは、「テクニカル分析でもファンダメンタル分析でも理解できないある種の規則性」のことたぬ。
例2 新月や満月のときに急騰急落が起こる
この辺りは聞いたことがあると思うたぬ。これらは、統計の取り方によってはもしかすると本当に規則性があるかもしれないたぬ*2けれども、なんでそういう規則が成り立つのかはよくわからんたぬ。
アノマリー好きのたぬきもいると思うたぬけど、まあ入門たぬきはあんまりアノマリーには関わらない方がいいと思うたぬ。
これから、このブログではテクニカルとファンダメンタルズの基本的なところをまとめていくたぬ。(アノマリーは非推奨なので、扱わないたぬ。)
第2回 建玉と注文